『セピア色のキレハシ』のライナーノーツ
先日GMマガジン誌上で行われた、「1ページTRPGコンテスト」。
自分も『セピア色のキレハシ』という作品を提出しました。
残念ながら選外でしたが、沢山のRT、そして「遊んで楽しかった!」という報告があり、本当にありがたいことこの上ないです。
せっかくなので、ライナーノーツというか、あとがきなんかを書こうかと。
以下には、自分の「日々野アリカ」という1つのイメージが書かれています。
それに囚われず、本作を遊んでくだされば幸いです。
・着想
コンテストの話を知ったのが大体締切の三週間前。
脳内で形にしながら放置していた「セピア色の世界で写真を撮り、それを持ち帰ってくる」というアイディアの部分だけ拝借。
それでは物足りないため、写真が出る必然性を考えたところ、「死んだ人間の願いを叶える、その人から写真が届く」という発想に至りました。
この辺は、リアル脱出ゲームの作品である『君は明日と消えていった』なんかが発想案としてあります。
比良坂はリアル脱出ゲームが趣味なのですが、TRPGとリアル脱出ゲームの共通点は、『1回性』にあると思っています。
TRPGの場合はジャズにも例えられる、即興性の「セッション」。
リアル脱出ゲームの場合は、一度しかそのコンテンツを味わえなく、その事件の主人公となる「当事者性」。
根底の部分では似ている遊びだと思っています。比良坂は、両方好きです。
「君は明日と消えていった」も素敵な公演なので、よかったら是非。
・骨組み
1ページの中で何ができるかを考えました。
共通のNPCである「日々野アリカ」をPCたちにに故人という形で引き合わせ、彼女中心の人間関係を構築すれば、PCたちが集合する存在理由は完成です。
その中で何をするか。
「日々野アリカ」の遺物自体をPCたちが作ると面白いんじゃないか、それに思い出話を咲かせるのも、一周忌としては当然だろう…!
というわけで、このようなゲームと相成りました。
・「日々野アリカ」
PCたちの中心人物でありながらこの世に居ない存在。
絵師に対して発注した際は、『「電波的な彼女」の堕花雨をショートにした感じ』と伝えました。純真無垢でありながらこの世に対して静観しているイメージが自分の「日々野アリカ」にあったからです。
こんな子。普段は目は隠れてます。
・カメラ
「日々野アリカ」が構えているのは、ライカのM4。
クラシックカメラとしても有名で、中古でも結構なお値段がします。(約10万円程度)
父親から譲り受けたと脳内では補完していますがどうでしょう。もしかしたら、がんばってバイトしたのかも。それを考えるのも楽しいですね。
・終幕フェイズの集合写真
せっかく写真がテーマなので、写真でもう1ネタと考えた時に出た案でした。
願わくば、写真付きでSNSなどにアップして、「楽しかった!」と言って欲しい。
そういう報告も見かけたので、作者としてはしてやったりです。
是非、遊んでみたら、写真も投稿してみて下さい。
最後に、繰り返しにはなりますが、遊んでくださった方、RTやいいねをしてくださった方、そして絵師のおんせんたまご。
本当に、ありがとう。