『捏造ミステリーTRPG 赤と黒』のシナリオまとめ(2021/09/09時点)

捏造してますか~!(挨拶)

最近サプリメントである「迷宮の書」も発売された、『捏造ミステリーTRPG 赤と黒』はご存知でしょうか。ご存知でない方は↓を見てね。

 

今回は捏造ミステリーの、ネット上や本(GMマガジン等)に掲載されているシナリオをまとめてみました。

「シナリオを作るのが難しそう……」「GMやりたいけどシナリオ用意するのが大変で……」と悩んでいる方々は是非参考にしてくださいね。(かっこ書きで筆者比良坂の個人的雑感も書いています。ネタバレは書いていません。)

 

・捏造ミステリーTRPG赤と黒 シナリオブック

「死体は語らない」「魔術師殺人事件」「総統閣下、死す」「呪われし饗宴」

捏造ミステリーTRPG 赤と黒 ルールブック
 (初心者向けで誰でも楽しめる「死体は語らない」、本格的なトリックが事件のキーになる「魔術師殺人事件」、赤のルールを使用した「総統閣下、死す」、黒のルールを使用した「呪われし饗宴」の4つが基本ルールブックを買うと3分冊で自動的についてきます。爆アドでは?

捏造ミステリー初心者に対しては「死体は語らない」をプレイするか、「魔術師殺人事件」の敵を弱体化させてプレイするのをおすすめします)

 

・捏造ミステリーTRPG赤と黒 サプリメント 迷宮の書

「美醜の肖像」「メインディッシュはあなたの秘密」「龍馬が逝く」「呪われた配信者」「サセックスの吸血鬼異聞」

迷宮の書 (捏造ミステリーTRPG赤と黒 サプリメント)
(出たばっかりのサプリメントに5つもシナリオが!冒頭リプレイで4つ目の「呪われた配信者」を赤のルールを使ってプレイする様子も記載されています。個人的に「龍馬が逝く」のトリックは驚きました。)

 

・捏造ミステリーTRPG赤と黒 サプリメント 諜報の書

「高度9400mの殺意」「謎を生む黒い手」「花乱れ、獣と見ゆる夜半の月」「そのペン先は命を奪う」「ブルータス、お前かも?」「冷戦上のアリア」

捏造ミステリーTRPG赤と黒 サプリメント 諜報の書

サプリメント2冊目。脚本自体をPL間で事件に埋めることが出来る諜報[エスピオナージ]ルール、新たに追加された系譜4つに、サンプルシナリオが6本掲載。うち2本[高度9400mの殺意,謎を生む黒い手]はGMマガジンの再録ですが、それ以外は新規収録です)

 

同人誌

・×××は語らない (ここは繁忙期の森
「サメは語らない」「家政婦は語らない」「現在は語らない」

(謎の構造がシンプルな、初心者向けのシナリオが3本。比良坂的には調書の決め方がが「現在は語らない」がお気に入りです。現在完売。)


・7人の魔術師と7つの挑戦状 (ぺんしるろけっつ)
「天穹の花」「怪盗アムステルダムからの予告状」「完全無欠の守護神」「不可能狙撃」「Break of the Day」「朱に交われど黒くあれ(前編)」「朱に交われど黒くあれ(後編)」「機械仕掛けの死と腐敗」

(6人のシナリオ製作者が寄稿した個性豊かなシナリオが計8つ掲載。世界初であろう前編後編で設定を引き継いだキャンペーンシナリオ、更にはこの本自体にも作者当ての謎が搭載されています。比良坂はシナリオを2本寄稿し、編集等も務めました。)

 

ネット公開

「宇治原京香は笑わない」★uchiganeさん)

(この世におそらく最速で公開されたユーザー私製のシナリオ。驚きに満ちた盤面展開が用意されています。PDFやシナリオ本文も丁寧なので個人的におすすめ。)

 

「絶対の封鎖密室」三白めめさん

(「凶器のない密室殺人のトリックを重点に置いています」という言葉通り、虚構級の手強いイツワリに、これまた手強い密室が魔術師を相手取ります。)

 

「其は密室である」三白めめさん

(こちらも密室殺人を取り扱ったシナリオ。敵は虚偽級です。個人的に三白めめさんのシナリオの中で一番好き。三白さんは筆がハイパー早いので筆者的にも見習いたい)

 

「名探偵は騙らない」三白めめさん

(成長した魔術師向けのシナリオです。「探偵保障を使った、多少変則的なシナリオになっています。」「間違っても初心者向けではないです。」とのこと。)

 

「魔女伝説よ、現となりて」なるしもちさん

うみねこにインスパイアして作られた推理ゲームである『うみねこのなく頃に屁理屈推理合戦@wiki』の盤面を捏造ミステリーに上手く落とし込んだシナリオ。「起きた事実に寄り添えるプレイグループ向け。」だそうです。)

 

「さよならを言いにきた」なるしもちさん

(同名のシナリオを投稿する企画に寄せられた捏造ミステリーのシナリオ。 人間ドラマらしいミステリーが展開されますが、それでもなお驚きと満ちた調書が待ち構えています)

 

「ノブナガの最期」比良坂右京

(拙作。誰もが知る事件と大胆な叙述トリックをかけ合わせました。初心者にもおすすめ。敵が若干強いので記載された適正化パッチを当ててくださいね)

 

魔法少女の間隙」比良坂右京

(拙作そのに。魔法少女とミステリーという異色な組み合わせながら、殺人事件を扱わないトリックと、シナリオ内のルール解明の謎解きが評判になりました)

 

「悪魔は隣に」DKPさん

オンラインセッションで使用できるキャラクターシートも公開しているDKPさんのシナリオ。山奥の別荘を舞台とした不可能殺人に挑戦することになります)

 

「40.8kmのトラベル」三白めめさん


(手と筆の早い三白めめさんのシナリオ。死体を二分間で40.8km先まで放置することの出来るトリックとは?初期作成の魔術師で遊べます)

 

「死の交差点」DKPさん

(交通事故の原因と、死亡した少年の死体の居場所を探るシナリオ。こちらも初期作成の魔術師で遊べます)

 

デュラハンの末路」比良坂右京

(拙作そのさん。いわゆる”イヤミス”を主軸としたシナリオです。少女2人と同じ部屋にいる首を切断された死体の男。その男は少女の片割れの父親で……重たいテーマを取り扱っていますが、こちらも初期作成の魔術師で遊べますので是非。)

 

「花はひとり、静かに散る」こまいさん

 

 (大正時代の女学校を舞台に起きた、女学生の転落死の謎に迫るミステリヰシナリオ。とのこと。シナリオの文面から醸し出される雰囲気がとても神秘的かつ耽美。)

 

「誰が為の祝杯か」なえぎさん

(韓国語圏で捏造ミステリーを熱心に布教しているなえぎさんのシナリオ。山奥の山荘というクローズドな場所で事件が起こります。)

「人魚が消えた館」보슈/ボシュさん赤と黒オンリーコンさん

(『赤と黒翻訳プロジェクト』という一月に一度、韓国で作成された赤と黒のシナリオを翻訳する企画の一環で公開されたシナリオ。海辺の絶壁に建てられた人里離れた屋敷の、「人魚のうろこ」という宝石にまつわる事件です。)

「Magical☆Crash Syndrome!」보슈/ボシュさん赤と黒オンリーコンさん

(上記『赤と黒翻訳プロジェクト』の第二弾。いわゆる魔法少女モノなのですが、ちゃんとした事件が起こり、そのギャップが面白いです)

「信ずる者に福音を」봄스(ボムズ)さん赤と黒オンリーコンさん

 

(上記『赤と黒翻訳プロジェクト』の第三弾。保育園を舞台に、誰が被害者を殺害したのかを推理する事件。真実を探ることより、捏造で遊ぶことに焦点を合わせた難易度低めのシナリオです。)

「誰が為にイツワるのか?」冬木五葉さん

中級者~上級者向けで、捏造が主体のシナリオ。「クイーンの法則」を使った実験的シナリオとのことですが、謎解き以外でもこんな驚きを提供できるのか、と感心した記憶があります。)

「艦長の決断」比良坂右京

(拙作その4。初期作成の魔術師で挑むことができる、初心者向けの内容で、スケールの大きい、スペースオペラのような設定を大いに利用したシナリオです。)

 

おわりに

ネット上で見かけたものはおそらく以上だとは思いますが、漏れがあったらお教えください。皆も気軽に「捏造ミステリーTRPG 赤と黒」で遊ぼう!

そして作ったシナリオを公開してくれるととっても嬉しいな……

捏造ミステリーがいかに「謎の解明を楽しめる」エポックメイキングなゲームだったか

※この文章は、『捏造ミステリーTRPG 赤と黒』の発刊1年を記念して書かれた、捏造ミステリーがいかに「謎の解明を楽しめる」エポックメイキングなゲームだったかを解説する文章です。個人的な見解ですので、温かい目で見ていただければ幸いです。

・序文
謎を解くという行為は、可能性を棄却し続ける遊びです。

それに対して、TRPGはシナリオやキャラクターの解釈を汲み取り、設定や判定の結果を解釈して盛る……拡散させることに対して相性のいい遊びです。

従来型のTRPGは基本的に、キャラクターの立場から、彼もしくは彼女の現実にPLは関与しなければならないため、ミステリーとして遊ぶ場合、

・どこに情報があるかを考える必要があり(フェアなマスタリングとして選択肢を提示することができたが、それがなくても文句は言えない)

・なおかつ情報を得るために判定をする必要(不確実、必ず情報が得られるわけではない)があり、その得た情報が正しいという保証もなく(犯人の偽証による可能性)、

・更には得られなければならない情報もすべて得たかどうかもわからず(情報が全て出ているか不明、構造的に後期的クイーン問題と似たところがある)

・なおその推論を演繹するチャンスは1回きり(基本的にセッションの流れは不可逆で、一度出した結論が違うからといって推理を撤回して違う犯人を捕まえに行く等が出来ない)

という、致命的なまでの相性の悪さを抱えていました。(これが大きく推理小説と違う部分)

そして、これまでにTRPG内で情報の取り扱いや不可解な事象を調べるに当たって、以下のメカニクスが採用されてきました。

 

・情報項目の提示
何を調べなければいけないのか明確化したが、それを調べるに至る道筋はPLの演出に委ねられたので(その世界に生きるキャラクターとしては不適切で)自販機と揶揄されました。

 

ハンドアウト化(インセイン等)
枚数がメタで(PLにも)認知出来るようになり、よりシナリオの道筋を辿ることが遊んでいる人にも自明になりました。そのアンチテーゼとしてゾーキング(判定を介在せずに存在を指摘する)だけによりハンドアウトが現れるシナリオが作成されるようになり、結果的にアンフェア化したシナリオもありました。
(なお、ここでの「フェア」とは特殊なことをせずとも判定をしてハンドアウトを調べさえすればシナリオのクライマックスや真相に辿り着けることを指し、
「アンフェア」とはゾーキング等の、PLが自発的にシナリオ内から想像して情報を探さないと真のにたどり着けないシナリオを指します)

 

・魔法の調査能力を与える
偽証等の可能性を解決したましたが、犯人がその能力を行使しても不自然ではなく、なんでもありの構造になり、謎解きの構造を解き明かすミステリーよりも、殺人事件等の極限の状況を楽しむサスペンスに近いものになりました。

 

・マーダーミステリー
キャラクターXしか知らない情報をそのキャラをプレイしているPLに秘匿されると推理が演繹できない場合があり、また、ゲームの構造上基本的に犯人が容易な推理によって演繹されると最後の犯人当てゲーム(フーダニット)が成り立たなく、更に他のキャラクターが同時並行で目的を果たそうとしていることと、犯人当てを難しくするための物証(デザイナー側から意図的に犯人がバラけるように複数人に怪しい物証をカード等で情報化する)もあって推理が困難になる場合がある
ため、これもやはり収斂ではなく拡散していくゲームと捉えています。

 

捏造ミステリーはこれを
・PC自体のメタ構造化(事件を調査する魔術師という、推理小説を読んでいる人、に近い構図)
・偽証の有無の明確化(キャラクターや物証が知らない、カン違いしていることをGMに直接問いただせる、初期宣言でのルール化)
・情報を確実に得られる(トランプでの判定)
・演繹するチャンスを何度も与える(答えるべき問題の明確化、調書のシステム化)
で解決しており、さらに進捗に応じたヒントがでるようになっている(秘密の脚本)

TRPGの拡散する長所(捏造によるドタバタ劇)すらも併せ持ち、ミステリーの謎解きをも楽しむことができるゲームに仕上がっています。

 

結論

新時代のTRPGシステムである捏造ミステリーを皆やろう。

捏造ミステリーTRPG 赤と黒 基本ルールブックの顕現魔法レビュー

皆さん、捏造してますか?(挨拶)このエントリでは、「捏造ミステリーTRPG 赤と黒」の敵である、イツワリの強さの定義とはという話から、イツワリが使う顕現魔法のレビューをしていきたいと思います。シナリオ作成の敵データの作成で悩んでいる方、必見ですよ。

 

そもそもイツワリの強さとは?

同じランク(ex.虚偽級、虚像級など)のイツワリでも、強いイツワリ、弱いイツワリというのは存在します。

強いイツワリとは、端的にいうと「PCをセッション内でより多く殺害出来る可能性を秘めたイツワリ」のことです。魔術師のゲーム的な敗北条件は殺害により栄光をイツワリに取られるただ一点のみですので、この条件を満たしやすいイツワリ(のデータや顕現魔法)が強い、と言えます。

また、それ以外にも「戦闘を長引かせる、HPを回復する」(引き分けの可能性を上げている)条件を満たす魔法も強いと言えます。

 

また、捏造ミステリーTRPG赤と黒は、HPの数値の少なさ、敵の行動中に回復出来ないこと、再初期化の存在から、「(回復してしまって実質)無傷であるダメージの数値」と「全滅するダメージの数値」が近しいシステムとも言えます。

(例:全員追求者の4人プロジェクトを想定すると、

復元値4×4人=16点のダメージを与えられると再初期化により実質無傷の可能性がある

最大HP7×4=28点のダメージを与えられると全滅の可能性がある)

 

簡単な計算ですが

1.制圧攻撃のダメージを計算する(回数3、威力4なら12点)

2.フルコンボが撃てた場合の魔法とコストを計算する(例えば烙印顕現を3回打つのが最大の損害を出す場合、

コスト:黒3=24/26(黒のカード中、何枚プレイ出来るカードが入っているか)

ダメージ:魔法に記載されているダメージ×ダメージを受けるPC数

(コストは単色の色ならそれにどれくらい入っているかで計算、GMもセットを選択出来るので最大限上振れるとしてこれくらいとしている、?なら同じように計算して2倍する、ex.烙印顕現を威力4で4人PCに打つと、24/26×4×4=14.7…)

3.1と2を足し合わせて計算結果が

 

10点前後…弱めのイツワリ。初心者相手ならこれくらいでも大丈夫。

15点前後…普通のイツワリ。これくらいを目指そう。

20~25点前後…歯ごたえのあるイツワリ。許容される最大限の火力。おそらく魔術師を2人くらい殺せるのでもっと弱くしていい。

30点以上…上振れると1局面で壊滅の危険性あり。慣れているPLでもPC側が敗北する可能性がぐっと高まる。

 

何度も繰り返して言うようですが、捏造ミステリーのシステムの肝、一番面白いところである「謎を解いたというアハ体験」をPLたちに与えるには、「弱いイツワリ」が適切です。強いイツワリを出すと、それに勝つ、何とか生き残って戦闘をいなしたという体験が謎解きのアハ体験を上回ってしまい、謎解きの楽しさが伝わりづらくなります。

虚偽級のイツワリのデータをそのまま初心者4人に相手にぶつけると全滅しかねないので、注意が必要です。ルールブックには「イツワリが所持する顕現魔法の個数は[顕現]+1くらいが妥当」とありますが、シナリオブック等のサンプルスペックを見るに、同じ、もしくは-1にするのが適当だと思われます。

というわけで、イツワリのデータ作成初心者の方が参考になるように、顕現魔法のランク分けをしました。(このランク分けは、比良坂個人の意見であることをご理解ください。想定的には「4人PLで系譜がバラけている、初期作成の魔術師」を相手にし、虚偽級のイツワリを作成するとしています)

 

A…採用するには慎重な調整が必要な強い魔法

B…AとCの間。他の魔法との兼ね合いもあって一概には言えない魔法(Bの定義が広いのでB+、B、B-でAより、Cよりを示しています)

C…とりあえずで採用しても事故を起こす確率の低い魔法

 

ダメージ型

・烙印顕現 B+

全ての基本となるダメージ型の魔法。とりあえずで積んでも事故らないように思えるが、問題は最安のコスト。黒札がほぼダメージに変わるので、これがあるとプレイした際に発動できる魔法がない、ということはほぼ無くなる。顕現回数分の全てで烙印顕現のダメージが魔術師に飛んで大丈夫なのかはよく考えよう。

・搾取顕現 B

烙印顕現と比較すると回復のおまけがついて、コストが上昇している。回復自体はHP最大値よりも回復しないゲームの都合上そこまで脅威にならない。

・処刑顕現 B+

 ダメージが下がる代わりに即死効果がつく攻撃。威力と回数を調整するとカバーリングが出来る守護者や逆境者が居ない場合、ほぼ確殺が取れるようになる。

・串刺顕現 B+

イツワリのランクが上がれば上がるほど高威力になる魔法。これも虚偽級なら7点と致死圏内。制圧攻撃との兼ね合いで調整が効かなくもないがやっぱり強い。

・奈落顕現 A

おそらく一番ダメージが出る顕現魔法。この魔法の効果を翻訳すると「自分のHPの半分以上のダメージを必ず与える」となる。ゲーム後半で真理の最大HPが上がっている場合、とんでもないダメージが出る可能性アリ。間違っても最後の真理がHP50とかのイツワリに積まない方がいい。

・侵食顕現 C

評価Cの理由は1つ。この魔法が決まっても直接殺害出来ないから。HPの多い魔術師にはよく効くんですがね。

・螺旋顕現 B+

攻撃対象が増加。コストが大きく、ダメージがそこまで大きくないのでBの範囲にギリギリ収まっているという表現が近いが、裏を返すと連打すれば2人殺せなくもない。

・死滅顕現 B+

エリア攻撃。さらにおまけでハンデスつき。ハンデスは相手に選択権があるのでそこまで脅威ではないが、ダメージの値が大きいと1局面で全滅の危険性も。連続プレイがあまり現実的ではないコストなのでBの範疇で収まっている。

攻撃強化型

・幻力顕現 A

アタック3が乗った制圧攻撃が飛んでくと魔術師は簡単に死にます。これに限らず殺害の処理が行われてもイツワリの継続魔法は消えない(基本ルールブックP.80参照)ことに要注意。

・幻壁顕現 B

顕現の+修正にビビるかもしれないが、その通り若干注意が必要。HP回復魔法とのコンボは地獄なのでやめよう。(正解ボーナスや断罪権限、災厄権限で殴られると20点程度のダメージが簡単に出るが、通常の調書の攻撃がシャットアウトされるため)

・幻呪顕現 B-

調子乗ってインフィニティで2回攻撃してくるアタッカーを咎める効果がある。攻撃するしないの選択権が魔術師側にある魔法なので、そこまで脅威ではない。

・黒死顕現 A

制圧攻撃の威力の調整と他の攻撃権限魔法によって鬼畜と化す。PC側の復元は最大5点なので、例えばイツワリの威力を5にして烙印顕現を積むと惨劇が開始される。

・星辰顕現 B

半分切り上げなのがミソ。正解ボーナスや災厄顕現などのアタッカーの特大ダメージを咎める効果がある。イツワリの真理のHPを盛らなければ何とかなる(と思う)。

・再誕顕現 B-

 いわゆるガッツ付与。10点の真理はアタッカーの1手で簡単に破壊されることがほとんどで、そこまで脅威ではない。

・天蓋顕現 B

アタッカーと補助役をより明確化する魔法。また、顕現の値がいくつなのかが問題。ダメージを受けた時に発動する魔法なので通常の権限魔法も調書での攻撃もダメージを抑えることが出来る。

・封土顕現 B

天蓋顕現と同じで、顕現の値をいくつにするのかが問題。調書のダメージとの兼ね合いで調整は出来なくもない。

支援型

・再生顕現 B-

HPの回復はそこまで脅威ではない(魔術師を殺害しないので)。手札補充に目が行くかもしれないがそれもランダムなのでそこまで信頼できない。

・退廃顕現 C

付与魔法の帳消しをしたところで魔術師の手番の中の一回と交換するだけ。嫌がらせにはなりますが……。

・無窮顕現 A

実質権限が1回増え、更に手札の50%以上が有用なものになる。コンボの起点になって楽しいが攻撃魔法を連発すると魔術師の死体が増えるだけなのでそうするなら細心の注意を払おう。

・衰弱顕現 B

大規模なハンデス。直接的なHPダメージはないが、1つの局面で2回撃てると魔術師の手札を全部捨てられることには注目しておきたい。(対抗策としてオーバーロードがあるのだが……)

・遮断顕現 C

これも発動しても殺害しないので評価はC。イツワリの身を守るくらいには働きますがせいぜい防げてもダメージ1~2点くらいかなぁ……

・天命顕現 C

敵が使うとそこまで脅威にならないタイプの魔法。殺害もしないし基本的にPC側のHPが低いシステムなので……チャンス0なのにそれをやるなよ。逆境者が泣いてるよ。

・交錯顕現 A

威力と回数がそのまま飛んでいく。威力と回数が平均的な(つまり威力と回数の積が大きい)イツワリに持たせないこと。

・支配顕現 A

文句なくぶっ壊れ。ゲームシステムでイツワリ側がほぼ禁じられている「攻撃対象の任意選択」、シナリオ1回しかないPC側のリソースである「正解ボーナスの無効化」の2つをこの魔法1つで成し遂げる。未行動のアタッカー(追求者、破綻者)を支配できるとインフィニティ込みでほぼ1人ないし2人の魔術師を殺害でき、まだその局面で行動していない魔術師の手番も殺害でスキップ出来る。行動済みの魔術師なら何も起こらないし平気でしょ、で積むと事故る可能性大。

 

おわりに

迷宮の書に記載されているシナリオでも顕著でしたが、「初期作成の初心者4人に対して虚偽級をぶつけて回ると敗北する可能性がある」というのをデザイナー側も気づいたんじゃないかと思います。それと、事故っても正直に言って敵のデータを弱体化したらPLは許してくれると思うよ。

同じ画面の前にいる”共犯者”と”強迫性” 『神椿市建設中。』βテストの感想

運良く『神椿市建設中。』のクローズドβテストに参加できたので、その感想を。
筆者の属性としては、「花譜のにわかファン(ファン歴[観測者歴]半年)」「謎解きそこそこファン(月に2~4公演行くくらい)」で、その要素が複合する謎解きゲームが気になって参加していました。

ネタバレには配慮していますが、雰囲気なんかはわかってしまうのでそれを摂取するのも嫌な方はブラウザバック推奨。

 

uc.kamitsubaki.jp

 

ストーリー抜粋(公式より)

「神椿市建設中。」は、KAMITSUBAKI STUDIOが2019年から開発中の
オリジナルIPプロジェクトです。

仮想都市「神椿市」の隠された謎を読み解き、街の秩序と平穏を取り戻す物語。
そしてその体験は仮想世界だけでなく、わたしたちの居る現実世界にも侵食していきます。

プレイヤーはスマートフォンを利用して、神椿市に潜む様々な「ナゾ解き」に挑戦。
中には、1人だけでは解決出来ない、
仲間達と協力をしなければならない謎も立ちはだかります。
また、スマートフォンの位置情報を活用し、外に出て移動することがナゾ解きの鍵になるような仕様を組み込んでいく予定でした。

 

 

概要

いわゆるARGの要素を持ち合わせた謎解きゲームです。
(ここではざっくり「物語と現実世界が交差する、大規模な体験型のゲーム」として使っています。有名なのだと「リアル脱出ゲーム」、最近では「Team Project:;COLD(都まんじゅう)」、ちょっと前には「ツイッターのあんたがたに挑戦します2020GW」が開催されていましたが、これらも全部言ってしまえばARGです)

プレイヤーたちは神椿市の復興を目指し、協力して(事前にDiscordの専用サーバーに入るよう指示される)謎を解いていきます。

 

プレイしてみての感想

いやー……はちゃめちゃによかったです。自分が一番面白いと感じた部分はどこなのか、という話ですが……

同じゲームをやっている”共犯者”がいる。そして、自分が救わなければならない対象は自分のその手で救わなければならないという”強迫性”。その2点です。
(花譜のプロデューサーであるPIEDPIPER氏がよくこの「共犯者」という表現を使うのでお借りしました)

まずはDiscordに入った仲間とのやり取り。それが面白かった。特設のサーバーを作成するスタッフの心意気もよいのですが、どちらかというと謎解き全体が”全員で協力する”という要素を色濃くデザインされていて、Discord内でああでもないこうでもないと謎解きの議論をしたり、タイミングを合わせたりする瞬間はとても”画面の向こうで確かに同じ謎と格闘している人がいるんだな”という気持ちにさせてくれました。(時には雑談、ボイスチャットもしたり。素敵な人たちばっかりで仲良くなりました)

それから、大規模なARGって自分がそのプロジェクトを知った時には謎解きや考察がほぼ全て終わっていることが多くて。(人間が多ければ多いほどそうなりがち、アンテナが高くないのもあるかもしれませんが)

クローズドβという構成が味方したのかもしれませんが、参加してさえいけばゲームの伝えたいであろう真髄(謎解き、設定の紐解き等)を味わうことが出来ます。(謎解き以外の考察をし続ける人たちもいましたが、唸るほどの彩度の高い話が出てきていました)

また、作品をプレイしている中で「ストーリーが動くのがわかってくるのでそれにリアルタイムで備えなければいけない」という部分はあります。
これは正直一長一短だと思っていて。そこには自分のリアルを削り取られ、作品に入るという”強迫性”が存在しています。(リアルの謎解き公演で実際に部屋に閉じ込められるのと同じ)

その時間には仕事や他の都合でどうしても間に合わない人もいるでしょうが、物語がリアルタイムで進行していることを示したり、待ったなしである状況、いわば祭りであることを如実に表現しているでしょう。(もちろん阻害された人にもフォローは必要でしょうが)自分はそれらも運良くクリア出来たのですが、これらは本サービスに向けてどうフォローするのかは気になるところです。

謎の難易度は(一部のものを除けば)そこまでハードでもないです。(謎解き経験のない方でもひと目~検索すればわかる程度、参加している方も謎解きファンというより花譜ファンやKAMITSUBAKI STUDIOのファンが大多数のようにも思えました)

Webを介するという形式

このご時世において、Web上を介する謎解き公演が最近増えましたが、それらと比べても遜色ない、むしろ同等以上のパワーを感じます。

個人的にはWeb上でやる謎解き公演は”その場にいる感”や”登場人物に対して役に立ってる感”や”死ぬ気で謎を解かないと前説で言われた通り本当に死ぬのかも感”のような、リアルな鬼気迫る感じが薄れる気が個人的にはしていますが、上記協力要素やストーリーとの相乗効果があって「いい体験をしたな~」となりました。

(直近でやったWebを介しての謎公演中に2回インターホンを鳴らされるという悲惨な経験が尾を引いているのかもしれませんが……)

いわゆる「こんなご時世」への配慮に関して 

現実世界の探索に対する配慮や「本当はこういうアクションを取らせたかったんだろうな……」という要素も。この辺りはプロジェクト説明文の

また、スマートフォンの位置情報を活用し、外に出て移動することがナゾ解きの鍵になるような仕様を組み込んでいく予定でした。

という一文に現れている気がしますが……それ込みでも楽しい、むしろそれがあることによるマイナスを感じさせないゲームでした。

 

原作要素についてと、まとめ

また、当たり前の話ですが、花譜ファンの方は狂喜乱舞するであろう要素がたくさんあります。(花譜ちゃんの新しい一面なんかも見られたりしました)

にわかファンである自分も花譜やKAMITSUBAKI STUDIOの他のシンガーの曲をもっと聞くようになりましたし。シンガーやそれに関わるプロジェクトを好きになれるような作品であることは間違いないです。

マネタイズをどうするかも気になる所ですが、(作品のプロモーションと割り切って本編も無料、ゲームを始めるのに課金がいる、謎解きのヒントやスキンに対して課金する、何かKAMITSUBAKI STUDIOの作品を買ったらプレイできる等様々な方法が考えられる)どうなろうが本サービスの稼働も期待せざるを得ませんでした。

今後の動向を楽しみに待ちましょう。


(花譜 『私論理』を聞きながら)

 

「捏造ミステリーTRPG 赤と黒」のシナリオ作成術

皆さん、捏造してますか?(挨拶)このエントリでは、「捏造ミステリーTRPG 赤と黒」の自作のシナリオを作成しようとする方の一助になるよう、普段自分が作成する上で気をつけていることをまとめました。比良坂なりのマイルールかもしれませんが、シナリオ作成で煮詰まっている方はぜひ参考にしてください。(比良坂個人は現在3作品作成、俺を超えるのはお前だ)

1.大上段に構えなくていい

まず第一に、シナリオを作ろうとしている貴方は何でも無いただの普通の人です。
……そうですよね?東野圭吾米澤穂信はやみねかおるがここを読んでいるわけではありませんよね?
つまり、貴方はミステリー作家ではありません。
「プレイした皆が納得するようなちゃんとしたトリックを作らないと……」みたいな気負いは捨てましょう。
素人の作ったトリックですから、そこまで身構える必要はありません。
気楽にTRPGを楽しもう、でいいんですよ。

また、「トリックが全然思いつかない……」という人。
謎は、貴方の日常にも必ず潜んでいます。
例えば通勤中、見慣れない広告を目にした時。見慣れない装飾品を身に着けている人が居た時。いつもと違う、変わったものを目にした時。
「どうしてそういう風になっているのだろうか、あれは何のために必要なんだろうか」
という疑問を拾い上げるのはとても重要です。その疑問の一端から、ミステリーは生まれます。

些細なことを真剣に考えるかバカにするかどうかなんです。

一見くだらないことでも、いったんは真面目に考える。

東野圭吾,『ミステリーの書き方』P.40)

2.謎は解かれるためにある

「捏造ミステリーTRPG 赤と黒」は、謎を解いたときの気持ちいい感触を体験することが出来る、これまでにない稀有なTRPGシステムです。
つまり、「ひらめいた!解けた!気持ちいい!」 という感触をPLに与えられれば貴方の勝ち。

逆に以下は確固たる意思が無い限り避けたほうがいいです。

・1シナリオに収まらないほどの膨大なトリックを解かせる

動線も伏線も何もないトリックを解かせる

・敵がはちゃめちゃに強い

1つ目はPLは既にTRPGをやっている(キャラクターの運用をしている)のでの脳内メモリが減っていることに注意が必要です。推理小説を読んでいるのとは訳が違います。また、2つ目は理不尽さを避けるという意味です。3つ目の敵の強さに関しては後述しますが、「謎を解いた快感」よりも「強い敵をいなした快感」が強くなってしまい、謎解きのアハ体験を超えてしまうのが問題になってきます。

 

3.コンセプトをはっきりさせよう

ここでいうコンセプトとは、GMが「凶器のありかに気づいてほしい!」「このトリックを解くためにこういう質問をしてほしい!」「山荘大好きだからクローズドサークルの事件が書きたい!」「この顕現魔法を使いたい!」「PLをびっくりさせたい!」

という目的意識のことです。出落ちでも何でも可で、それがテーマとしても機能しますし、PL、ひいては自分がプレイしたときの面白さに繋がってきます。

 

4.調書と脚本から書こう

これは個人の嗜好があると思うのですが、自分は調書と脚本から書くのをおすすめしています。特に調書はシナリオで「PLに暴いてもらいたいトリック」「シナリオの雰囲気」の根幹に関わってくるため、最初に取り掛かった方が無難です。また、脚本はシナリオの情報の断片となります。それを寄り集めて事件報告書を書くのがスリムかつ執筆者の負担の小さいシナリオを書くコツです。
逆に事件報告書から書くのはおすすめしません。(書いたことを全部拾おうとして膨大な数の脚本が出来かねない)
また、調書と脚本と事件報告書と敵のデータさえ出来ていればシナリオは回ります。個別の導入を考えなくても魔術師はイツワリ討伐のプロジェクトに参加しなければならないのですから……

 

5.敵は弱くしよう

4人PLで、なおかつ全員が初心者であることを想定すると、虚偽級のイツワリはややオーバースペック気味に強いです。十全に顕現魔法を撃てて、なおかつ攻撃のランダム対象がマズイところに飛ぶと敗北しかねません。ルールブックにも記載してありますが、謎解きが面白いゲームですので、謎が解けたのに戦闘で負けた、は好ましくありません。
敵を作る際は「虚偽級よりも真理を減らす」、「威力を下げる」、「回数を下げる」、「顕現を減らす」、「使える魔法を減らす」、「使える魔法間でアンチシナジーがある」等、これらの2つぐらいを適用するくらいで丁度よいです。弱すぎるくらいで結構。(もしくは虚像級で作るなど)
(個人的雑感ですが、ダメージ型と攻撃強化型か支援型の間でシナジーが組まれると、敗北のリスクがかなり上がります。[【烙印顕現】+【幻力顕現】、【搾取顕現】+【交錯顕現】等]PCたちが敗北するただ1つの理由はイツワリに殺害されることなので、そのようなイツワリを作成する際は攻撃のパラメータは特に控えめにするのがコツです)

 

6.GMする日程を決めよう

ここまで読んで少しでもやれそうな気がしてきた貴方。

捏造ミステリーを立てる日程を決め、呼びたいPLに対して連絡しましょう。(もしくはSNSで卓募集をしましょう)

人間を強く動かすのは締め切りです。また、締め切りのないタスクはいつまで経っても終わりません。日程を決めると、それまでにシナリオを書く!というモチベーションが生まれます。

日程を決めましょう。今すぐに。今すぐにです!!!

 

最後に

シナリオが出来たり捏造ミステリーで遊んだらSNSつぶやいてくださると嬉しい。
なに、GMする日が来たのにシナリオが完成しなかった?

 はい、この中から任意のシナリオを使いなさい。

「捏造ミステリーTRPG 赤と黒」のTips集

以下に書いてある文章は全て比良坂右京の個人的な感想です。現状や皆さんと考えていることと違う等あるかもしれませんが、一意見程度のものでしかないと捉えていただけると幸いです。

 

概略

・どれだけ魔術師がレベルアップしても魔力を獲得するためには「脚本を発見する」「調書を成立させる」の2つしか無い。魔力がたまらなければ告発局面で魔法が解禁されないので、序盤が一番魔術師の窮地になりやすく、終盤が一番楽。

・どんな幻想であれ論拠として使えるし、脚本の幻想は真実に比べて発見しやすいので、幻想に傾いている系譜(破綻者)は序盤で活躍しやすい。また、正解ボーナスはかなり強力なので真実に傾いている系譜(追求者)は終盤に向けて活躍しやすい。

・上級宣言の取得はPLが初心者の場合、Easyを強く勧めるべき。(使い減りしないので)

 

つまづきやすいポイント

・ジョーカーは「赤でも黒でもある15」
・戦闘終了時の再初期化でHPは”復元値分”回復する
・告発を選ぶとインフィニティを含めて最大3回魔法が撃てるタイミングがある
(タイミングA→1度目の告発→タイミングB→インフィニティによる2度目の告発→タイミングCの、タイミングが3回ある。[基本ルルブP70最下段参照]個人的にこのタイミングA~Cは独自ルール用語として使っています……)
・制圧攻撃は1度だけ標的表を適応し、その条件のPCの順列の高い順に攻撃する

 

系譜雑感

・追求者

現場再構築、人物再構築のコストが系譜中最安。とりあえず1人いれば調査に困ることはなく、事件の解明に対して大きく寄与できる系譜。戦闘面でも自己完結しており、自己強化(シールド追加、アタック追加、ダメージ増加)、HP回復まで備えているため状況を問わない活躍が出来る。

上級魔法

「探偵アルゴリズム

真実を解明させるには最強の上級魔法。また、公開された脚本全ての魔力を引っ張ってくるという副次効果も大きい。絵札2枚弱という重たいコストだけがネックだが、それを余りあるメリットがある。

「法廷アルゴリズム

秘密の閲覧を踏み倒す魔法。基本的に初期宣言で置いてある一番要求される魔力が高いものはほぼ答えなので、それが閲覧出来れば事件の真相を直接知れる。ただ公開されていないと論拠としては使えない(P73参照)ので、どちらかというと先に真相を知りたいような赤のルールで活躍するかも。

「黄金律」

GMから直接情報を取れるが、PLの閃きに依存する魔法。これで得た情報は論拠としては使えないので注意。(公式Q&A参照)

「幻想破却」

これも想定としては赤のルール用かと。それ以外の使用法を思いつかなかった。

 

 

・守護者

安めの現場再構築と物質再変成を所持。戦闘面ではタンク。味方を守る魔法やシールドが充実しており、ゲームにおけるただ1つの敗北である「魔術師が殺害されて栄光を取られる」可能性を大きく削減することが出来る。個人的にはマイナスを0にする作用がメインのため、いるとあまり効いている感じがしないが、いないと「守護者がいたら……」となる場合が多い気がする。

 上級魔法

「キャッスリング」

防御系最強の上級宣言。最悪の場合全員のHPが半減する盤面干渉を全てシャットアウト出来る。可能な限り序盤もイツワリより先手をとってこれを撃ちたいところ。これを撃てれば守護者の役割を十全に果たしていると言えるんじゃなかろうか

「概念鉄槌」

破壊されてしまったものからは証言が得られなくなるので使い所に悩む。前あった例では密室殺人の密室の壁がこれで破壊されて事件が解決したことがある。(してないけど)

パラノイアスケール」

オブジェクトのスケールを大きくする。これも他のオブジェクトにタッチ出来ないのが難しいところ。

パラノイアレプリカ」

密室殺人の鍵は1つ→鍵は5つあります!みたいな……?

 

・助言者

人物再構築も出来るが、審問宣告、脚本検索などメタで迫る宣言魔法が多め。戦闘としては命綱としての回復を十分に所持。さらに手札補充や手札破壊、魔法のコピーまで兼ね備える。手札破壊に関してはプレイできる手札がないとイツワリの行動手番は消えるので、魔術師たちの生存性も間接的にあげることが出来る。

上級魔法

「パラサイトの摂理」

このゲーム唯一の魔力を加速させる魔法。マナ加速が弱かったことがあるか?(いやない)

ゲームの根源を破壊している強い魔法。是非取るべき。

「エクスチェンジ」

赤のルール向け?使い所がよくわからなかった

コピーキャット

いまだかつてコピー系のアビリティがゲームで弱かったことが……という話だが、意外とコピー先に困る。追求者の探偵アルゴリズムをコピー出来れば最強。他には王権神授あたりだろうか。一応初期作成でも選択肢に入ると思う。

「第三の免罪符」

これも赤のルール向けかと。

 

・逆境者

チャンスが貯まれば大きな活躍が出来るが、チャンスを貯める行動に1手番使う必要があり、更に初期魔力が低いので魔力に困りがち。そのパラメータさえ解決できれば大きな攻撃が出来るので、「どんな窮地でも勝ちを引っ張ってこれる」という役回りだろうか。戦闘としてはサブタンク。チャンスが5さえ貯まれば10ダメージが出るので逆転権限まで行かなくても活躍できないことはない。

上級魔法

「チャンスアップ」

初期作成ではこれしか選択の余地がない。中盤まで2回発動出来ればOK。あとのチャンス2は権限魔法で稼ごう。

「ダブルミラクル」

派手な効果と裏腹にコストとデメリットが大きめ。次の告発局面で先手を落とさないように注意。

「昇格」

魔力が欲しいという命題を解決しなければならないのでその手番を割いて告発局面に備えても微妙な気がする。

パラダイムシフト」

迷宮ルールとかに使えるかもしれない。

 

・破綻者

調査ではほぼ捏造メイン。一応人物再構築も出来なくもないが、序盤の調書を通すような幻想を捏造する役回りになる。事件報告書に書いてあるものやそこに書いてないイメージオブジェクト、キャストを含めて事件を一時的に解決するような幻想の発想力が必要。(いわゆるキャット&チョコレートのような大喜利力)
この発想力は万人が出来るものではなく、ある種のセンスが問われるので難易度が高いのだと思う。(実卓でもすぱすぱ湯水のように思いつく人もいればまったく思いつかず困っている人も見かけた)戦闘では自傷ダメージを基本とした構成。苦痛権限まで手が届けば自傷のダメージすら解決する。

上級魔法

「幻想エンチャント」

使い勝手抜群の宣言魔法。さあ君の力で事件を面白おかしくしよう。コストがアホほど安いのも特徴で、同時に幻想の脚本もあらかた回収できる。

「キャスト抹殺」

派手な効果の割に意外と使い所がなさがち。とりあえず何人かキャストを殺しておいてこいつしか殺人できない!みたいなのに使える。

「惑乱プロトコル

多分赤のルール用。AがBに指示したみたいなのはうやむやに出来るけど……

「パラレル不在証明」

キャスト抹殺と同じようなことが出来る。

 

・君臨者

メタで迫る審問宣告、脚本検索のかなりコストが低い。そういう意味では叙述トリックのある事件に強い系譜。逆境者の逆境権限で引くカードを指定するなど手札入れ替えに関しては思いのまま。いわゆるTRPG脳(誰がどのカードを欲しているかの判断)を使わないといけないことと、やはり最低値を誇るHPがネック。そういう意味で上級者向け。大喜利センスは問われないが戦闘面としては攻撃のすべを持っていないので他の魔術師がいることが前提。

上級魔法

「王権神授」

他の魔術師の手番を増やす→魔力を増やすことが弱いわけない。重いコストではあるがそれに見合うメリットはある。

「世界接合」

守護者がいない(正確に言うとキャッスリングがない)場面だとかなり有用。安定はしないが盤面支援も3択にし、その場で一番欲しい効果を引き込むことが出来る。

「大憲章」

使い所がわからなかった……

「パラグラム禁忌」

これはモロ赤のルールよりかと。

 

テクニック

ポプテピピック戦法

比良坂命名。登場するキャストにしらみつぶしに「お前がやったんだろ!!」と尋ねる戦法のこと。人物再構築や審問宣告で可能。犯人保証のような初期宣言には十分注意すること。後者だと5人いるキャストから「AorBorCがやった」などと狭めることで可能性を捨てることが出来る。

・装着物戦法

比良坂命名。主に人物再構築が使えないが現場再構築が使える魔術師(守護者と君臨者)が使用する。Aというキャストが着ていた服や装着物に対してAにしたい質問をする。オブジェクトの知能は人間並ではなく返答の彩度を下げられることもあるが、有効な戦術かと。

・全員拮抗戦法

比良坂命名。宣言局面で行動順が1位だったプレイヤーは次の告発局面で拮抗した状態になることを狙った戦法。魔術師間で談合をし、同じ数字を全員で出し合う。そうするとGMだけが拮抗しないので宣言局面で1位となり、次の告発局面で行動順が最後になる。中盤、終盤では魔術師が前の局面で1位をとって裏向きで順札を出す場合があるため更に合わせやすい可能性も。全員拮抗した場合もGMが先手になる(P53参照)のため、有用な戦術。

 

マスタリング概略

・捏造ミステリーで初めて開発された専門用語が多いので、順を追ってゆっくり説明すべき。その場での「立ち位置」と「目的」を明確化させるために説明したらいいのかな……?と個人的には思う。ゲーム開始時なら世界観やPCである魔術師やイツワリ自体の説明、宣言局面が始まったら調書やそれの論拠を作るために何をしなければいけないかなど。

・推理ゲームという構成上ともすればGMは意地悪になりがち。全てにおいてPLへの優しさ優先でやると上手くいく気がする。

・宣言局面でなされた魔法によって脚本が少しでもヒットしていたら公開する、どの場面でも事件に対するヒントを欲しがっていたら言ってあげるなど(宣言局面の最初に言ってしまってもいい)

・検証についても、個人的にあまりに筋が通ってない場合を除いて告発は通して魔力を上げたほうがスムーズだと思われる。

 

シナリオの作り方

・無理してトリックのある(それも高度な)事件のあるシナリオを作成する必要はない。GM推理小説作家ではない。

・また、事件報告書の1ページに収まるぐらいと考えると文字数的には1500文字程度の事件が限界。Twitterで換算すると10ツイートくらい。繰り返すが高度な事件をつくる必要はない。

・それでも書けない人は何か発想元を探してそれを参考にするといいと思う。(盗作にならないように注意)例としてはウミガメのスープの問題、短編小説など。それらに限らずテレビの企画や日常のニュース、生活する上で感じた疑問、摂取したゲームに漫画にアニメに……謎やトリック、ひいては問いかけはどの作品でも出てくると思います。どれもトリックの根幹になりうるものが眠っているので、日常生活からも拾えるといいなぁ……なんて。

・死体を置いておくととりあえず「殺人事件なのか」「誰に殺されたのか」「死因は」など、PLに深刻さが伝わってなおかつ調べる対象も楽にわかる。死体は事件を魅力的にする。コージーミステリ(人の死なないミステリ)はシナリオ作成難易度が高い気がする

・参考になるもの

「類別トリック集成」

http://tec.jpn.ph/drama/rampo/shusei.html

・参考書籍にもあるが『ゲームシナリオのためのミステリ辞典』はかなり使える(様々なミステリやトリックの分類が載っていてそのまま使えるものも多い)

・調書に関してもP112の「ハウダニット」「フーダニット」「ホワイダニット」を参考につくるといい。個人的には正解のない調書を入れておくとPC像が深まって面白いと思う。

 

イツワリの作り方

・ルールブックにもあるが「トリックが分かったのに戦闘で敗北する」が一番ストレスなので、あまり強すぎるイツワリは作らない方が良い(あんまり強くしすぎるとトリックを解いた快感より敵の攻撃をなんとかしたという快感の方が上回っちゃうので注意が必要、序盤の盤面干渉で悪い目を引くと全滅するような構成は避けた方がいい)

・戦闘と再初期化の構成上、HPの50%まではノーダメージに等しく、制圧攻撃がそれを担う。50%以上ダメージを与えることが出来る→顕現魔法で容易にダメージを与える構成(例:烙印顕現、搾取顕現、奈落顕現等しか持ってない)、コンボを決めて瓦解させる構成(例:無窮顕現から他の強力な魔法につなげる)は迷宮入りしがちなので注意すること。

・HPを盛って顕現を下げるのも有効かも。

・特に攻撃沢山するタイプは迷宮入りしやすい。バフやデバフは実質一手パスなのでそっちを採用した方がいい。

 

リアル脱出ゲームの公演がよく無責任に僕らの日常を応援する理由

結論

リアル脱出ゲームの生みの親である加藤隆生は「今ある日常こそが(少しの工夫があれば)素晴らしい」としている。

寿司屋に行って「寿司しか出ない」と言っているのと同じ。

 

3行まとめ

・没入度が高い謎解き公演は他の作品に比べて最終的に徒労を提供しにくい

・電子ゲームに比べて「ゲームを続けなければならない外圧」の高さ

・公演自体の構造的な問題もあるが製作者が意図している最終的なメッセージは日常を応援するものに着地する

 

謎解いてますか?公演行ってますか?

比良坂右京です。自分は謎の趣味は8年前からやってて謎公演は月2~3回ほど行きます。

 

今回は脱出ゲームでよく聞く「最終的なメッセージ」についての考察をしたいと思います。

この「最終的なメッセージ」というのは、公演の最終盤やエンディングムービーなどで伝えられるものを指します。

 

みなさんもお気づきの通り、結構我々を応援するポジティブなものになりがちです。

「日々を大切に生きよう」「助けてくれてありがとう」「世の中はそんなに悪くない」等々…

メッセージとしては平易なものに落ち着くことが多いです。(特にストーリー性の高いものがそう)もしくは、単純に脱出しておめでとうというもの。(これはストーリーがあまりない公演に多い)

結構な回数公演に行っていると、エンディングを待つ際に「またいい感じのエンディングなのかな…?」と思う場面もなくはないです。もっと破滅的なエンディングがあってもいいのにと。

どうしてこうなってしまうのか。

 

これは、公演型脱出ゲームの構造上の問題がついてまわるからです。

まず、公演型脱出ゲームは没入度が高く、他のエンタメ作品に比べて最終的に徒労を提供しにくいです。

「主人公は君だ」と銘打っている通り、プレイヤーと作品との距離がかなり近しいです。また、これまで提供する団体(特にSCRAPは)「謎を解けばストーリーが進み、最終的に危機的状況を脱出できる」というフェアなルールを設定してきました。

つまり、公演でやったことが裏目に出る、やっても無為になるようなものが提供しづらいわけです。

 

ちなみに以下は、自分がTwitterでアンケートしたものです。 

 

58%の人間がやりたい、42%がやりたくないを選択しました。

個人的にはもっとやりたいを選択する人間が多いと予想していたのですが、これは自分のフォロワーの層にも寄るのかもしれません。(層としてはTRPGプレイヤーが多め)

 

また、システムの構造上の話をすると、公演型脱出ゲームは非常に途中でやめづらいゲームです。

安くもない参加費を払っており、他人と協力し、100分程度拘束され、好きなときにトイレにもいけません。冷静に考えるとかなり異常な娯楽です。

この構造は「この公演あんまり面白くないから、合わないから途中でやめよう」という途中退出を難しくしています。つまり、「途中退出が起こらないような展開」をシステム側から要求されているのです。没入度が高くなる脱出ゲームでは、人によって好みが分かれるような展開を配置しづらいのです。

これが電子ゲームならコントローラーを放り投げることもできるのですが。

 

 また、インタビューで加藤氏は

「僕が目指しているのはお客さんが今ある日常から目を覆うのではなく、その日常こそが素晴らしいんだって気づくこと。」

「みんなの住んでいる日常だって、少しの工夫があれば素晴らしいテーマパークになるんです」 リアル脱出ゲームのすべて p.26 

 と言っている通り、参加した人間の日常が脱出ゲームによって変わることを目標にしていますし、それはエンディングで流される曲が「ものがたりのはじまり」であることにも現れています。

 

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個人的にはちょっと違う感じのものをやってみたさはある(リアル脱出ゲーム『ミスト』とか、リアル脱出ゲーム『Spec Ops: The Line』とかリアル脱出ゲーム『JOKER』とか)反面、やっぱり「謎解いてゲームを進めたのは無駄だったな」となるのは心情的にしんどいものがあります。

みなさんはどう思いますか?